サラリーマンの楽しみ出張編 雪国新潟で、鶏料理の絶品にとろける!?の巻

私は全農チキンフーズに勤める課長、人呼んで“チキン父さん”。だが、それは仮の姿だ。実の正体は、社長から『やきとりの流儀』を極めるために秘密のミッションを命じられた特命課長なのである。夜な夜な街に出没し、究極のやきとりを求めて彷徨い歩く。

今回の舞台は雪国新潟。おいしいお米やお酒、新鮮な肉や魚など、まさに食の楽園だ。調査を指示された店は、おいしいやきとりや鶏料理を味わえる老舗割烹料理店と聞く。「出張とはいえ、羽目を外さぬように!」と社長にくぎを刺されつつ、駅弁を頬張りながら新潟駅へ。店がある場所は、江戸時代から“みなとまち”として栄えてきた地域。当時の面影が残る、ゆったりとした大人な街並みを楽しみつつ、ちょっぴりノスタルジックな気分で目的地に到着した。

昔は蔵だった場所を改装したというお店。さすが、創業昭和8年とあって、どっしりとした風格がある。ガラガラと引き戸を開くと、「いらっしゃい!」とやさしそうな店長さんの声。「どうぞ、こちらへ」と店員さんの案内についていく。玉砂利が敷かれた飛び石の廊下を渡り着いた先は、中庭が楽しめる6人掛けの座敷席だ。

高級旅館のような店内に、ソワソワしているのも束の間、肉串、皮串、レバー串、砂肝串など炭火やきとりがテーブルに届いた。銘柄鶏「みちのく清流味わいどり」をはじめ、新鮮な国産鶏肉を備長炭でじっくり焼き上げた人気メニューだという。一口食すと、炭火焼の芳ばしい香りが鼻をぬけ、鶏肉のもちっとした歯ごたえと肉汁の旨みが口いっぱいに広がった。
「焼き過ぎないのが大事。火加減を見極めることで、鶏肉の水分を上手くトリ(閉じ)込めます(・・)」と店長さん(ズルズルッ!)。あっさりとした甘めのタレも相性抜群だ。なんでも、80年以上継ぎ足されてきたタレのレシピは、店長さんの頭の中にあるのだそう。

おっと、社長から調査を指示されていた珍味「こころのこり」(写真:下)を忘れちゃいけない。鶏の心臓と肝臓をつなぐ部位を串で焼いた、珍しい一品だ。さすが社長、出張先でも抜け目ない。どれどれと食してみると、なっなんなんだ!このプリプリとした食感は?!噛めば噛むほどジューシーな脂が口いっぱいに広がり病みつきになりそうだ。

もう一つの人気メニュー「半羽から揚げ」も絶品だ。ひな鶏を二つ割り(1羽を縦半分に割ったもの)し、まるごとカラッと揚げたもの。「うちでは塩コショウで下ごしらえして、一晩じっくり寝かせています。そうすることで、余計な水分が抜け、旨みがしっかり出てきます」と店長さん。あとは、低温の油でじっくり揚げるそう。なるほど、どおりで皮はパリパリ、中はジューシーというわけか。こちらは店頭販売もされており、1日平均10〜15個は注文されるそう。その他にも、お馴染みのやきとりやコロッケ、お惣菜なども好評だ。うむ、帰りの新幹線用に、いくつか見繕ってもらおう・・・。

いかん、いかん。食が進めば、酒も進む。さすが酒どころ新潟、地酒も地ビールも一級品だ。久しぶりに呑みすぎてしまった!ほかにも、鶏肉の味噌鍋やすき鍋、新潟地鶏鍋など鍋料理も美味しそうだ。次はプライベートで食べにこよう。今回の潜入も大大満足である。よし、「国産鶏の定番メニューも希少部位も味わい尽くせる新潟の名店」と報告しておこう。

おっといけない。社長から早く帰ってこいとお達しが・・・(汗)やれやれ、せっかちな社長の気も、大河信濃川のように、ながーくなってもらいたいものだ。そんなことを思いながら、新潟駅へと急ぐチキン父さんなのであった。

これからも、チキン父さんへの特命は続く!

店長 小林 恵一 さん
日本料理人として、この道一筋50年。30歳の頃に地元新潟に戻り、鳥梅に入社。創業当初より受け継がれてきた味を守りつつ、地元の方に「やっぱり、鳥梅さんがおいしいね」と言われるのが一番の喜び。
あなたにとって鶏料理とは
店長さんの格言:おいしい記憶をつくる、名役者

チキン父さんがおじゃましたお店

鳥梅 西堀店
新潟県新潟市中央区西堀前通り8番町1525Google Map
JR「新潟」駅より車で8分

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